家具というと大手メーカーで量産されたものやヨーロッパ製のおしゃれなものが注目されますが、日本には和家具と呼ばれるものがあり、伝統工芸品として受け継がれています。日本では古来家具と言う概念が無く、代わりに行李や風呂敷が使われてきました。江戸時代になると西洋からタンスやテーブルが入ってきて、日本で和家具が作られるきっかけとなります。その代表的なものが桐箪笥ですが、現在のように大きくて備え付けるようなものではなく、移動することを前提としていました。
これは当時の日本の家屋に部屋ごとの使い分けが無く食事も居間も寝室も同じ部屋だったので、いちいち移動させる必要があったからです。さらに燃えやすい木造の家では、すぐに荷物を運び出す必要もありました。素材が桐というのも軽いからであり、柔らかいので修理がしやすいのも特徴です。現在伝統工芸品として指定されている桐箪笥に、新潟の加茂桐箪笥、埼玉の春日部桐箪笥、名古屋桐箪笥、大阪泉州桐箪笥があります。
その他、漆塗りが特徴の岩手の岩谷堂箪笥や長野の松本家具、装飾に唐木を用いる和歌山の紀州箪笥も指定されています。さらに日本独特の加工方法として指物があります。古くから宮大工や船大工が培ってきた技術を活かして、釘を使わずに木の組み合わせだけで箪笥等を作る工法です。江戸幕府が全国から職人を集めて作らせた江戸指物や、公家文化の中で発展した京指物が有名です。
現在日本の家屋の床はフローリングが主流ですが、畳も見直されてきています。その動きの中でこれらの伝統工芸品が注目されるようになるかもしれません。洗濯機レンタルのことならこちら